低用量IL-2療法

 近年、免疫を抑制する役割を持つ制御性T細胞(Regulatory T cell; Treg)が、移植後の免疫寛容の導入に重要であることが明らかになりました。Tregは生体内でインターロイキン2(IL-2)によって維持されています。IL-2は、細胞傷害性T細胞やナチュラルキラー細胞の活性を高める作用も持ちますが、IL-2を少量だけ投与するとTregのみが増加することが動物実験で報告されています。米国での臨床試験では、慢性GVHDの患者さんに、低用量インターロイキン2(IL-2)を連日投与したところ、Tregの増加がみられ、およそ半数の患者さんで慢性GVHD症状の改善が確認されました。現在、低用量IL-2療法は、新しい免疫抑制療法として、移植患者に限らず、さまざまな自己免疫疾患の分野でも応用が試みられています。

制御性T細胞が少ないとGVHDが発症
制御性T細胞が増えるとGVHDが改善